2020-07-15

新札千円札に登場予定の【北里柴三郎】について調べてみた&彫ってみた


2023年令和5年に新紙幣の千円札のデザインに登場する北里柴三郎。
その北里柴三郎の消しゴムはんこを彫ってみました。

北里柴三郎のお札

北里柴三郎(きたさとしばさぶろう)は明治時代中期の細菌学者です。

ペスト菌の発見や、破傷風の治療法を開発したことで
「日本の細菌学の父」
として知られるそうです。
私は新札のデザイン発表の際に初めて北里柴三郎のことを知りました。

小さなお子さんがいるご家庭では母子手帳がありますよね。
生後3ヶ月ころから予防接種の4種混合や3種混合など受けると思いますが
その中に「破傷風」を予防する薬「破傷風トキソイド」などが含まれています。
その薬の最初の開発者が北里柴三郎です。

北里柴三郎の経歴をカンタンにしるしますと、
1853年(嘉永6年)肥後国(ひごのくに・現熊本県)生まれ。
軍人を目指してまずは外国語をと学んでいたのですが、
廃藩置県でその学校が閉校してしまったため、
熊本県の古城医学所という医学校に入学。
やがて医学に興味をもち、東京医学校へ入学し、8年間の授業をこなし1883年(明治16年)に卒業しました。

卒業後は内務省衛生局に就職。
劣悪な医療現場、上下水道の衛生環境を改善しようとしました。

その後、熊本医学校時代の同級生に勧められ、東大医学部衛生学教授の助手になり、細菌学の実験研究をスタート。

そして、長崎でコレラが発生し、現地に柴三郎は派遣されることになりました。
この長崎での適切な予防指導などが評価されてドイツへ派遣。
ドイツでコレラ菌を発見したコッホに師事。
コッホに「破傷風の培養をしろ」と難問課題を与えられて
粘り強く研究を続けたそうです。

破傷風といえば、土の中の細菌が、足の傷などから入った毒素が神経を冒し、重いしびれや呼吸困難を起こして死に至る病。
当時の日本も死者が多かったそうです。
背骨が折れるほど後ろにそりかえってしまったり、
舌を噛み切ってしまうため、前歯を折らないといけない
という恐ろしい病気とききました。。

私もこどものころ、足に傷があるときに泥に入ったり、錆びた釘を触っちゃダメとか、親に言われた記憶があります。
最近の大災害、水害の後の汚染された水などは、絶対に素手では触ってはいけないと聞きますし。。
厚手の炊事用ビニール手袋(よくあるピンク色のもの)を災害用バッグに入れておかなくては!

話をもどして、
柴三郎はコッホ研究室にきて3年目に成果が出たそうで、
持ち前の粘り強い研究で破傷風菌が酸素を嫌うということがわかり、
水素下で破傷風菌を増やすことに成功。

そして、菌を増殖することに成功するだけでなく、
研究をすすめ、毒素「トキシン」を確認し、
少しづつその毒素をマウスに投与する実験を行ううちに
血液内にその毒素を中和する物質があると発見!
実際の治療にも役立てることになりました。

ドイツから日本へ帰国し、十分な研究施設もなくぶらぶらしていた柴三郎に
福澤諭吉が援助をしたそうです。
柴三郎は「伝染病研究所」を設立し、優れた医師研究者を育てました。
その中には野口英世もいたとか。
野口英世は師匠よりも先にお札に登場していたのですね。

北里は研究に関して弟子にはとても厳しかったらしく
「ドンネル(ドイツ語でカミナリの意)先生」と呼ばれたそうです。
医学教育者としての愛の鞭というところでしょうか。

柴三郎は「医道論」−医学は人々の健康を守り、安心して働けることで、
国を富ませ、豊かにさせる− ということを信念としていたそうです。

現在のような衛生環境が整っていなかった明治時代では、
感染症の研究はとてもリスキーだったと思います。
その研究ということだって、ものすごい根気が必要だと思われます。
コンピュータもなく、全て人の手で研究結果を分析するわけですから。。。
粘り強い、どころではないと思う。
文系の私は数字の羅列を見ただけでクラクラしそうです。。

娘(現在小学1年生)の母子手帳を見てみたら
ありました、ありました。4種混合DPTーIPV。
載っ私も子供の生後、予防接種受けさせるのをがんばってスケジュール組んだことを思い出しました。
こうして先人の研究の努力のもと、健康で過ごすことができているのだなあとしみじみ思いました。

昨今のコロナ感染症の薬の開発がすすむこと、医療関係の方々を健康を願ってやみません。

今回の制作にあたって、こちらの本を参考にしました。
岡田晴恵 さん著『感染症とたたかった科学者たち 情熱とひらめきが命を救った!』
児童書でイラスト豊富だったのでわかりやすかったです。

あとはこちらのくすりのあゆみ(日本製薬工業協会)のサイトもおすすめです。


さて、この北里柴三郎のはんこは、現在発売中のお札型の一筆箋【SATSUTABA -札束一筆箋-】の中にも登場します。

SATSUTABA -札束一筆箋-にはお好きな偉人のはんこをスタンプしてお届けします。
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